えっ、もう2月。このまえ年末だったのに……と、三十歳以上の人の大半が思っていることであろう。
ところで、私は日々ほとんど人に会わず、会うのは決まりきった人ばかりで、決まりきった人と何を話すかというと仕事のことや仕事まわりのことばかりなの
で、ときたま、自分は精神的鎖国状態である、と気づく。たとえばあるバンドが好きだったとする。しかし、そのバンドがニューアルバムを出したという情報は
入ってこない。そんで、ずっと昔のアルバムを聴き続け、「新しいのでないかなー」と思ったりしている。バンドのアルバムにかぎらず、情報量が極端に少な
い。
2日前、とても尊敬する大人Tさんから、「今日の夜BSにキヨシローがでます」とメールをもらい、あわてて見た。メンフィスを訪ねオーティスの足跡を追
うという番組だった。これがとてもすばらしい内容だった。最後に清志郎がオーティスに捧げる歌を作って歌うんだけれど、泣いちまった。
昨日は、友人から芝居の案内をもらい、それを見にいった。これもまた、本当にすばらしかった。あー見てよかった、と思った。
このように、ごくまれに精神的鎖国にも黒船が来航し情報をもたらしてくれることがあるので、なんとかぐれずに日を過ごしているんだなあ。
最近人に会うと、どこそこの駅でかくちゃんを見た、見た、と言われるんだけれど、それはおそらく読売新聞の連載小説の宣伝広告で、ドナルド・キーンさん
と写っているものだと思うんだけれど、私は未だ一度も見たことがない。見たいか、といわれれば、あまり見たいものでもないのだが。
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