アスペクト

つれづれ雑記 角田光代

作家・角田光代さんの日常を綴る日記が、アスペクトONLINEにて連載開始です!怒涛のような締め切りの数々や大好きな肉のこと。見たこと、聞いたこと、会った人、出かけていった旅のこと。角田さんの毎日のつれづれはここでしか、読めません!!

2007年1月4日〜1月31日

日
1月4日
木曜日

 あけましておめでとうございます。
 今日から仕事はじめ。お正月休み中はほとんどゲーム(Wii)をするか本を読むかしていた。昨日はいつもどおり花園神社にお詣りにいった。帰り、デパートを見てみたが、激混みで品物が見られず、ケーキだけ買って帰った。
 今年の抱負は「歯医者にいく」です。

日
1月5日
金曜日

 今年になってからはじめて会う人たちと「あけまし て…」の挨拶をするが、このとき、少しばかり照れくさい。昼に豚カツを食べ、夜に蟹クリームコロッケを食べ、糖尿病になるのではなかろうかと心配になる。 もうじき(あと二カ月で)四十歳になるってのに、こんなに脂ものが好きでどうするんだろう私。

日
1月6日
土曜日

 ジムにいった帰り、鴨を買って帰る。が、鴨は冷蔵庫に眠らせておいて焼き肉を食べにいく。
  私は年賀状に印刷された、友人知人の子どもの写真を見るのがそれはそれは好きで、何度も見返している。O兄んちのDくんなんかもう大人のようだし、中学か らの友人Tの娘は中学生のTそのまんまだし、大学の先輩Eさんの娘は手足が驚くほど長くてモデルになればいいのにと思うし、編集者Kさんの長男はますます Kさんに似てきたし、友人Sの息子は天才型の頭のかたちをしているし、ああもうなんておもしろいんだろう!
 深夜までゲームをしてしまう。ゲームをしていると、自分の性格の、だめなところがとてもよくわかる。

日
1月7日
日曜日

 七草粥を、私は食べたことがありません。
 昨日の鴨で、鴨鍋を作る。はじめて作ったがたいへんおいしかった。鴨は獣の味がしてよろしかった。最後は雑炊。鴨のあとの雑炊はラーメンのようにぎとぎとして、なおかつあまりしつこくなくて、たいそうおいしかった。
 夜中、仲良しのFちゃんの夢を見て目が覚め、初夢ってどんなの見たんだっけなあ、と暗闇のなかで思い、思い出せないままふたたび寝た。

日
1月8日
月曜日

 休日出勤。昨日、はやくも成人式のニュースをやっていて、あいかわらず、荒れている成人式もあったが、しかし成人式にちゃんと出席する人って、それだけでまじめでえらいと思う。毎年毎年きちんと荒れるし。
 新宿にいく用があったので、ついふらふらとバーゲンセールにいってしまう。が、買ったものは皿や鯵など、ばばくさいものばかり(しかもセールと関係な い)。帰ってきてメールをチェックしたら、私がもっとも尊敬する大人Tさんから、清志郎全快のニュースが届いていた。貼りつけてある新聞記事を読んでいた ら、うれしくて目頭があつくなった。今年、まだ8日しかたっていないけれど、これだけでもうすばらしい一年だという結論を出した。締め切りひとつ。

日
1月9日
火曜日

 もう朝の電車も通常通り混んでいた。帰宅後、ワインを飲みながらまたしてもゲームをやってしまう。そしてまたしても、自分の性格のだめなところと向き合わされる。ゲーム、たのしいんだかつらいんだか。新年だってのに、締め切りみっつ。

日
1月10日
水曜日

 朝、テレビの星占いを見ていたら魚座は十位で、「準備不足であわてるはめに。余裕を持って行動を」とあった。
  今日は仕事場で新年会があるので、夕方近くなって準備をはじめたのだが、なーんかだらだらしてしまって、気がつけばあわてるはめに。すき焼きのたれを作っ たら、なぜかそばつゆの味になり、市販のたれを買えばよかったと後悔するが、買いに走るには時間がないので、そのまま使うことにした。Tさんが大量の肉 (枕のよう)を持って登場し、すき焼き開始。予定より人数が多くなり、卵が足りなくなった。買いにいくのも面倒で、卵一個ルール。すき焼きには卵絶対一個 以上の人がいるって、はじめて知った。
 うすーい銅のようなものでできた、ビール用のグラスってありますね。私は横着して、この銅グラスに熱いお茶を入れて人に出したら、その銅全体が、信じら れないくらい熱くなった。受け取ったマダムKが、あつあつあつあつ、と言い、するとみな、どのくらい熱いのか持ちたがり、「これは熱い」「これは熱いっ て」と口々に言っていた。そのことを、夜中に思いだしてひとりで笑った。私はときどき、こういうなんでもないことがツボにはいる。締め切りふたつ。

日
1月11日
木曜日

 猛仕事。難題が、中題くらいになった。気がする。
  帰り道にあった、漬け魚屋(粕漬けとかみそ漬けとか干物とかそうした魚ばかり扱っている店)が閉店してしまった。戦後すぐからやっていたが、このたび閉店 することになったと貼り紙がしてあった。がーん。私、甘いおかずが苦手で、デパートによく入っている有名な漬け魚屋のは、ちょっと甘くてだめなほどで、こ の店のは、味つけがちょうどよかったので、好きだった。だから、がーん。新たに漬け魚屋をさがさなければならん。
 その閉店した魚屋前に、縁日仕様の出店が出ていて、ものすごいでっかい「餅太郎」を売っていた。目が釘付けになり、買おうかどうしようか、三十秒くらい真剣に悩んだ。結局買わなかった。一気食いがこわくて。

日
1月12日
金曜日

 一日仕事。お昼にソースカツ丼。粕汁というものを、自分があまり得意ではないことに、この店で気づく。
 もうなんていうか、お正月なんて遠い星の彼方みたいだなあ。

日
1月13日
土曜日

 新宿にいき、買い物。といっても豚肉とかそういう買い物。地味だなあ。新聞に、長芋だけで作るお好み焼きのことが書いてあったので、まねをして、作ってみ ようと思ったが、途中、魔が差し、ほんの少量小麦粉を入れた。この9割長芋お好み焼きを食べつつ、おいしいお好み焼きの長芋と小麦粉の配分が、少しわかっ た気がした。
 明日も休みなので夜遅くまでゲーム。自分の性格のだめなところと向き合わされるが、しかし夜更かしゲームは楽しい。

日
1月14日
日曜日

 Nikeとipodをつなげて公園まで走る。これだと「目標半分達成しました」みたいなことをipodが告げてくれるので、はりあいがでる。公園では、子どもたちのマラソン大会をやっていた。子どもって元気だなあ。冬の晴れた日は、とても好きだ。

日
1月15日
月曜日

 元成人の日。午前中に家を出て、外苑前の喫茶店にいく。取材一件。
 次の対談が昼過ぎにあったので、また「お昼ごはんはどうする」病になり、どぎまぎしながら対談場所の新宿まで移動。高島屋に入ってレストランフロアを目 指すが、13階は改装中。14階にいくと、どの店も長蛇の列。げええええ! お昼が、お昼が食べられない、と泣きそうになりつつ、サザンタワーに走る。よ うやく見つけた列のないメキシコ料理屋で、おいしいのかおいしくないのかよくわからないごはんを食べ、一安心。まったくやっかいな人間であることよ。
 その後、センチュリーハイアットで対談。アメリカからいらしたジャンさんという方との、占星術がテーマの対談だったのだが、なんかすごかった。感動し た。個人的になんとなく考えていたことを、やわらかく、しかしばしばしと指摘され、こわいほどであった。ジャンさんは、ものすごく魅力的な人だった。
 午前、午後とも、屋外で写真撮影があり、写真を撮ってくれる人が「寒いでしょう」「すぐ終わらせるから」と気づかってくれたのだが、私は暑がりでなおかつ、ババシャツ着用だったから、平気でした。「ババシャツ着ているので平気ですよう!」って、しかし、叫ぶのもどうか。
 仕事場に戻り、魚を買って帰り、夕食後呆けたようにWii。お正月がもはやなつかしい。締め切りひとつ。

日
1月16日
火曜日

 12時から早稲田で打ち合わせなので、早めに出て、 ずっといきたかった早稲田のカレー屋でいちばん辛いカレーを食べる。辛くておいしかった。その昔、西門通りに生卵をカレーにのせてくれるふじという店が あったなあ、とか、キッチンカナリアって今もあるのかなあ、とか、かつ玉牛も食べたかったなあ、とか、いろいろと考える。
 ホテルの喫茶店で打ち合わせ後、時間が少し空いたので、私だけ残ってさっき買った本を読む。これがまあたいそうおもしろい本であった。少し前は余裕がな く、こうした空白の時間は泣くほど焦ったが、今は、こんなところでゆっくりと本を読めるなんて幸せだなあ、と思う。少し心がすこやかになってきたのか。
 その後、K社に移動して、しをんさんと対談。対談があまりにもたのしくて、対談であることを忘れてしまったほどである。夕方終わり、近くのホテルにちょ こっと飲みにいく。たのしすぎてはじけすぎた。ちょこっと飲んでいるあいだに、編集者の人の携帯が幾度か鳴り、芥川賞と直木賞の結果を知る。
 どこだかわからない場所にさらに移動して(すでに飲み過ぎ)、中華料理を食べ、麺をすすり、またたのしくなって「ここがどこだかわからないが、北京だろうがモンゴルだろうがぜんぜんいいッ!」と、でかい気持ちになる。
 みんなと別れたのち、青山さんのお祝いの会にちょこっとおじゃまする。みんなうれしそうだった。
 それにしても、前も思ったけど(自分のときだったから)、該当作なしって、単純につまらないよなーと思う。今回のは一冊しか読んでいなかったんだけれど、その一冊がべらぼうにおもしろかったので、そしてその小説が最後まで残ったと聞いたので、至極残念。
 中身の濃い一日であったことよ。

日
1月17日
水曜日

 寒い。
 机の上に百円玉がのっている。ずうううっと、ここにある。いつも、なぜここに百円があるのか、と思いつつ仕事をしている。外で、タバコや飲み物を買おう として、百円足りないことがよくあり、そんなとき、「ああ、あの机の百円があれば」と思うのだが、なかなか財布におさめられない。それくらいのことが、面 倒なのだ。いったいいつまでここに百円があるのか。締め切りふたつ。

日
1月18日
木曜日

  寒い寒いと思っていたらなんだか急にあたたかくなった。昼ごはんを食べて家を出、東銀座へ。駅から徒歩一分の場所に、なぜか十分ほどかけて到着する。蜷川 実花さんと対談。蜷川さん、ものすごくすてきな人だった。途中から酒を入れてとことん語りたくなったが、蜷川さんはその後もずっと取材予定があり、予定時 間で終了。蜷川さんの初監督映画「さくらん」は、すごくかっこよくてすてきだった。
 鶏肉を一枚のまま揚げる料理を作ったら、片栗粉が足りなかったらしく、揚がった、というより、焼けた、というような料理になる。適当に作った薬味ソースはうまくいった。

日
1月19日
金曜日

 自宅で食す夕ごはんを、善と悪にわけて、善悪の バランスをとろうと、ふいに決意する。私はどうしたって肉好きで、高脂血症なので、「ひゃっほー」な肉・油関係はとりあえず悪。魚と野菜中心の食事は善。 ということに決めた。昨日は悪だったから今日は善だな、と、帰り道、野菜や魚を買う。善善悪善悪善悪、くらいだとバランスとれるのかな。
 高脂血症の数値が「要医療」だったときは、あわてて全食事を善にしたが、そうすっと二週間くらいでストレスがすごいんすね。肉ーッと叫びつつ、焼き肉屋に走りこみたくなるんすね。だからバランスですな、要は。
 (とりあえず悪ということにしているが、もちろん肉や油が悪いという意味ではない。と、つい言い訳をしている肉へのこの愛。)締め切りひとつ。

日
1月20日
土曜日

 昼、隣町にいって、某ライブハウスで軽く打ち合わせ。その日の夜にライブがあるらしく、ソウルフラワーユニオンの人がいて驚いた。夜ごはんは悪。壷に入った例の……。

日
1月21日
日曜日

 朝、走るために外に出たら、いきなりipodがフリーズして動かない。あのさあ、なんのために走っているかっていうと、ipodの「目標まであと1キロです」とか「目標達成です」とか、そういうの聞きたいためだよ。フリーズするんならば走りたくなんかないんだよ。
 しかし、ナイキの靴はいて小走りで、額にしわ寄せてipodいじる私って、そのまま「ipod+nike買ったばかりで勢い込んで外に出たものの、ipod壊れました」って人じゃん。

日
1月22日
月曜日

 昼過ぎ、東京FMで中嶋朋子さんのラジオ番組に いく。中嶋さんは一昨年の「対岸の彼女」のラジオ版の、小夜子役をやってくださって、そのときちらりとお会いしただけなのだが、テレビでずうっと見ている からか、知っている人のようである。たのしかった。その後、取材一件。帝国ホテルに移動して、会議。昨年からこの会議に参加しているが、昨年に引き続き今 年も緊張した。自分の意見を言うときに声が震えるほどである。会議ののち、お弁当を食べて、散会。締め切りひとつ。

日
1月23日
火曜日

 文字通り「頬ばる」ことを、いったいどのくらいの大人がするだろうか、とふと考えた。昼、時間がなかったのでおにぎり屋のおにぎりで昼食をすませたのだ が、食べている合間も時間がなく、おにぎり一個のほとんどを、口のなかに入れてみた。そうしたら、頬の皮がぴーんとつっぱらかるくらい頬ばった状態にな り、なんとなく、なつかしいようなあまやかな気持ちになったのである。こういうこと、やってる大人はあんまり見たことない、と思ったが、じつは人の目のな いところで、みんなやっているかもしらん。
 6時に仕事場を出て、表参道へ。豚の店で、O兄(私の兄ではなく、O弟の兄)と、Sさんと飲む。やさ男などについて話す。気がついたらワインを三本飲ん でいた。明日の朝、取材があるので早く帰ろうと思っていたものの、飲んでいるうち楽しくなって(仕事の話がないからな)、どこかへ移動する。そのどこかが どこであったのか、どのように移動したのか、店に入った時点ですでにわからなくなっていた。その二軒目の店に、偶然S社のKさんがひとりで飲んでおり、四 人になってさんざっぱら飲んだ。帰ったら二時だった。明らかに飲みすぎである。締め切りひとつ。

日
1月24日
水曜日

  当然のごとく二日酔い。だらだらりんとしてつかいものになれず。午前中、取材チームがきたときだけは、満身の力をふりしぼってしゃきっとし、チームが帰っ たあと、またこんにゃくのようにだらだらりんとなる。夕方仕事場を出て、約半年ぶりくらいに、お弁当つきの会議に出て、ちゃんとお弁当も食べる。最相さん に、すばらしい新方式の福袋の話を聞く。福袋、来年こそは手に入れてみようか、と今年も思う。

日
1月25日
木曜日

 一日仕事ができて、気持ちが安らかだった。安らかな気持ちのまま、安らかな味の豆乳鍋を作った。鍋っていいなあ、楽で。締め切りひとつ。

日
1月26日
金曜日

 午前中、もっのっすごっい混んだ電車に乗り、上 野を目指す。体が曲がったまま動けず、肺がつぶれるかと思うほどの満員電車で、学生のころの田園都市線のつらい通学を思いだした。上野の美術館でオルセー 美術館展を見て(仕事)、急いで帰り、天玉そばを食べて、所用。夕方、芝公園にあるプリンスホテルにいく。毎日芸術賞の授賞式。友人である、というか、私 が勝手に友人だと思いこみ敬愛している司修さんが、毎日芸術賞の文学部門を受賞したのだ。昨年の、温泉ののちの小躍りは、このお知らせだった。司さんの スーツ姿をはじめて見た。書評賞は池内恵さんで、池内さんとは二年くらい前、新聞の書評委員でいっしょだったので、これもうれしいことだった。池内さんの スピーチがすばらしかった。すばらしいなあ、と思ったとたん、隣にいた新聞記者のUさんが、ものすごいスピードでスピーチをメモしだし、その敏腕記者ぶり に「おお」と思った。
 二次会できれいなバーにいき、ふと気がつくと、テーブルが恒例の高齢温泉チームメンバーになっており、洒落たバーがまるで温泉の宴会部屋のように見えた。みなさんのスーツ姿がどてらにはだけた浴衣に見えた。
 その後、銀座のバーで三次会。カラオケがはじまったので、隣に座った温泉チームメンバーヤング部門Mさんに歌曲をリクエストしたのだが(この人はクラ シックに造詣が深いので)、Mさんが歌ったのはアン・ルイスであった。ほかの人たちが歌ったのは、小林旭とか石原裕次郎とか。昔の歌謡曲は、歌詞が本当に いい。二時過ぎ、四次会に向かうことになったが、私はエネルギーが切れ、帰る。二次会も三次会も、たいへんにあたたかい、すばらしい会だった。締め切りひ とつ。

日
1月27日
土曜日

 昼近くに起きて、近所に新しくできたラーメン屋 さんにいく。この界隈はラーメンレベルがてんで低いのだが、この店はとてもおいしかった。ワンタンもあった。それから夕方まで、おそろしいことに、本当に おそろしいことに、ぶっ続けでゲームをしてしまった。おやつも食べず、トイレにもいかず、お茶も飲まず、ゲーム。
 新しいラーメン屋さんの並びにある、ただしい居酒屋で、軽く食べて飲む(つまみはほぼ善)。夜カラオケにいって四時間をその部屋で過ごす。ストレスカラオケである。

日
1月28日
日曜日

 ipodはなおったのだが、昨日夜更かしをしたので寝坊して、走らなかった。豆乳でキッシュを作ってみたら、ちゃんと固まったのでびっくりした。サザエでは、いささか先生のなくなった万年筆をカツオがさがしだすという、ミステリー仕立ての話がおもしろかった。
 猛烈な睡魔に襲われ、あわてて風呂に入った。ゲームはしなかった。

日
1月29日
月曜日

 新年初の肉の会なので、運動をしにいったら、腹 が減りすぎてふらふらした。今日の店は、時間厳守と店側から言われているので、早め行動で二十分も前に着いた。「全員そろってから入店してください」と、 店の前に貼り紙がしてあったので、外で待つ。会のメンバーは5分前にはそろった。私はそれを見ていて、思ったのである。この人たちは、きっと学校の校則も 守れなかったろう。毎日のように遅刻していただろう(私はそうだった)。やれと言われたことはほとんどできなかったり、やらなかったりして生きてきた人た ちだろう。なのに、なのに、肉のためならばきちんと言いつけを守るのだ。5分前には店の前にたどり着くのだ。なんとすばらしいことだろうか。
 肉もすばらしかった。その後、広尾方面の飲み屋に移動して飲んだが、この移動中のタクシーで「赤羽」と地下鉄の入り口にあり、その数十メートル先の角を 曲がったら麻布十番だったので、「えっ、麻布十番と赤羽ってこんなに近かったの!」と、思わず口にすると、隣に座っていたO氏が「今のは赤羽ではなく、赤 羽橋だ」と教えてくれた。赤羽橋といえど、赤羽にあるのではないらしい。まあ、落合東長崎っつったって、九州にあるわけじゃないしねえ。
 おみやげのマカロンを食べ、マカロンを生まれてはじめておいしいと思った。

日
1月30日
火曜日

 お正月なんて、もう昨年のことのようですね。
 今日はぽかぽかとあたたかく、このまま一気に春になってしまってほしい。昨日の焼き肉はまるで大悪だったので(私はサラダもサンチュも一口たりとも食べず、肉しか食べなかった)、今日は善。鯖ね。ゲームがしたいがために、週末を待ち焦がれている。締め切りひとつ。

日
1月31日
水曜日

 夕方、家を出て、四ッ谷方面に向かい、路 地を歩き、目的の店にいく。今日は総勢十二人ほどで、鮟鱇鍋を食すのである。まったくひさしぶりの内蔵部である。鮟鱇を食べるの、私は生まれてはじめて。 好きではないかもしれない、でも、メンバーにB社のIくんがいるから、きっと食べられなかったら彼が食べてくれる(Iくんはでかい)、と思いながら店に到 着。
 鮟鱇鍋、ちょっとびっくりするほどおいしかった。その後、近くの焼酎飲み屋にいき、夢のような食ツアーの話をしながら飲む。
 4カ月、早くて3カ月先だと思っていた締め切りが、2月5日だとこの日知ったばかりだったので、あまり飲まずに早めに帰った。私はなぜか、人の話を聞き ながらも、いいように自分で話を組み替えて納得し、そのまま記憶する、という珍妙な得意技を持っているらしい、と気づいたことであるよ。締め切りいつつ。

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