アスペクト

つれづれ雑記 角田光代

作家・角田光代さんの日常を綴る日記が、アスペクトONLINEにて連載開始です!怒涛のような締め切りの数々や大好きな肉のこと。見たこと、聞いたこと、会った人、出かけていった旅のこと。角田さんの毎日のつれづれはここでしか、読めません!!

2007年7月1日〜7月31日

日
7月1日
日曜日

 ああ、もう下半期。朝、走るが、むしむしして息 苦しく、ちょっとズルして歩いた。今日はたくさん走っている人がいた。遠くのスーパーにいって、枝豆のピラミッド型価格にちょっと驚く。枝豆ってこんなに 値段の差があるのかー。映画をビデオで半分だけ見る(時間切れで。あまりにも余裕のない一日の後半であった)。

日
7月2日
月曜日

 7月に入ってようやく梅雨らしくなってきた。午 前中歯医者にいき、帰ってきたら昼どきで、なんにも考えず洋食屋でドライカレーを食べ、食べながら、「なんでドライカレー食べているんだろう」と思う。そ して昨日、本当にちらりと、友人との会話のなかで「ドライカレー」という言葉が出てきたことを思いだし、自分の暗示のかかりやすさにぎょっとする。
  梅雨のときって運動するとつらいよね。と運動しながら思った。締め切りふたつ。

日
7月3日
火曜日

 最近、約束に自信がもてない。つい先だっても、 19日の仕事が、18日だったような気がして、矢も立てもたまらなくなって編集者の携帯に電話をして日時確認をする、ということをしたのだが、今日もま た、約束が今日だったのか明日だったのか混乱し、確認する羽目に。こういうのって本当にこわいですな。
 ipod+nikeは、それ専用の靴でないとだめなのだが、つい先だって、ヨドバシカメラでほかのシューズでもだいじょうぶな器具、のようなもの(すみ ません説明が下手で)、を買った。スポーツクラブで走るときにその器具を使って、走ったキロ数をプラスすれば、けっこうな数字になる、と画策したのであ る。が、そんなにうまくはいかなくって、専用の靴でない靴にとりつけた機械はうまく作動してくれず、記録は残らなかった。と書いているが、私が機械音痴で ものごとをよく知らないため、ipod+nikeにまったく関心のない人は、いったい私が何を書いているのかさーっぱりわからないことであろう。私もま た、十分くらい考えてみたが、このことをうまく説明するたとえが思いつかなかったことである。締め切りふたつ。あー、なんか腰が抜けるまで酒をのみたいな あー。

日
7月4日
水曜日

 夕方、仕事場を出て恵比寿にいく。豚しゃぶの店 で打ち合わせと顔合わせ。旅先でのコワイコワイ話を聞く。その後ダーツバーにいく。私は生まれてはじめてダーツというものをやった。ダーツの矢が的に当た らなくてびっくりした。編集者のうち二名はマイダーツを持っていてちょっと仰天した。ダーツだから鞄にすっぽり入るだろうけど、マイボールだったらたいへ んなことだ。
 初対面の編集長の家が近所でびっくりした。私んちの近所にはじつにたくさんの編集者が住んでいることである(おんなじマンションにすらも!)。なぜばったり合わないのかが不思議。あっ、そうか、編集者はたいてい夜行性だものね。
 腰が抜けるほどは飲まず、帰る。締め切りひとつ。

日
7月5日
木曜日

 所用があって新宿にいったら、デパートがバーゲンセール中だった。見たいが見られず。
 どこかでチャドクガにさされたのか、体じゅうに赤いてんてんができ、かゆいことかゆいこと。かゆさって、どんだけささやかでもすごい威力だよな。締め切りひとつ。

日
7月6日
金曜日

 午前中、K社のお二方が来訪。文庫の見本を持ってきてくれたのである。進吾さんの装幀、いつもながらすてき。
 午後、都心にいって先だっての山形のナレーションを録音する。録音スタジオなんてふだん見慣れないものだから、工場見学の小学生のような気分になった。 この番組は旅した人がナレーションもするそうで、私はナレーションなんてしたことがなくど下手だが、きまりごとなのでがんばってやった。

日
7月7日
土曜日

 今日は七夕である、と、新聞のよんこま漫画で知る。私はこのよんこま漫画の大ファンで、毎朝いちばんに見る。
  七夕っていつも曇りのような気がするが、いいんだろうか。晴れないと会えない二人はもう何年も会っていないのではないか。夜は壷に入った肉を食べる。最 近、私はごはん派になって、最後にかならずごはんを食べるようになった。ホルモンでごはんを食べるなんて、去年の自分からしたら異様なことだが、おいし かった。

日
7月8日
日曜日

 昼過ぎ、東京ビッグサイトにいく。このあたりの 町も不思議だが、建物も不思議であった。しをんさんと公開対談。短い時間であんまりたくさん話せなかったが、でも私、読売新聞の書評欄って本当に好きなの だ。書評のひとつひとつに顔がある感じ。いらしてくださったみなさん、ありがとうございました。
 その後、Uさんとしをんさんとで飲みに出るも、時間が早すぎてどこも店は閉まっており、ようやく開いていた一軒を見つけて入る。四時。気がついたら「ラ ストオーダーですが」と言われていた。六時間も飲んでいたことになる。信じられない。公開対談の12倍だよ(この計算は正しいのか?)。たのしいと時間は 歩みを速めることである。そしてこの日、私はしをんさんのサンダルがゴムではなく革と知る(つまりしをんさんのお洒落な草履は、かつて新宿で見たものとは 違っておったのである。新宿で見たものもお洒落だったけど、この革草履もお洒落だった)。なのでこないだの日記の件は訂正してお詫びします。ごめんねしを んさん(笑)。

日
7月9日
月曜日

 朝、すばやく締め切り原稿を送り、十時に仕事場 を出て都心へ。今日はイラストレーターの唐仁原さんの事務所にいって、共同作業をするのである。事務所は都心のさらに都心部にあるが、たいへん静かな場所 である。事務所のでっかいテーブルに絵を描く道具がすでにセットされていてたいへん緊張する。
 唐仁原さんは拙著「キッドナップツアー」の絵を描いてくださったのだが、今度また、唐仁原さんの絵で本を出させていただくのである。先だってそのうちあ わせをしていたとき、なぜか唐突に唐仁原さんが「コラボしよう」と言いだし、酔ったのかしらん、と思っていたが彼は本気で、そうして今日の運びとなった。 絵なんか描いたことないのに私に絵を描けというのである。こわいよう。
 が、唐仁原さんの指示を仰ぎながら色を塗ったり絵を描いたりしていたら、だんだんたのしくなっていた。すごいな唐仁原さん。
 昼に、事務所の方々とみんなでランチを食べにいき、アルバイトしていたころを思いだしてなつかしくなった。みんなでお昼を食べにいくってことのほかしあわせだよなあ。
 午後いっぱいかけて作業。絵筆を持ったのは二十三年ぶりくらいだが、そういやー私は絵を描くのが好きであった、と思いだした。高校生のとき、選択授業で 美術をとって、下手な絵をたくさん描いたのだった。  唐仁原さんのおかげで、すばらしい絵がたくさんできました。私の描いた絵は激しく見劣りがするが、でも、唐仁原さんがなんとか見栄えよくしてくれるであ ろう。これはえーと、8月の終わりか9月に白水社から発売になる「予定日はジミー・ペイジ」という本です。5時前に作業終わり、帰宅。こんなに長い時間 キーボードを打たない平日というのも清々しくていいですな。締め切りふたつ。

日
7月10日
火曜日

 知人から、いろんな話を聞き、人生について考え、考えながらジムにいって運動する。運動しているうち、考えていることが、人生ではなく、夕飯のおかずになっていた。よくあることだ。
 朝刊に「時鮭の照り焼き」の作り方がのっていたので、それを作ろうと魚屋さんにいくも、間違えて中辛の時鮭を買ってしまい、焼き鮭になった。これもまたよくあることである。締め切りふたつ。ひとつ、間に合わず。ううう。

日
7月11日
水曜日

  私はたいてい朝の9時ごろから「昼に何食べっかなー」と考えているが、今日は何も思い浮かばず、ひそかに焦っていたところ、10時半くらいに「汁」と思い ついて、ラーメンに決めた。それでラーメン屋さんのカウンターに座ったらすぐ隣に見知った顔が。前に書評委員でいっしょだったMさんであった。「あっ、M さん!」と声をかけてから、ラーメン屋で声はかけられたくないものだろうか、と思ったが、まあいいや。ラーメン屋で偶然会うというのは、恥ずかしいよう な、しかし同志を見つけて喜ばしいような、そんな入り交じった気持ちでありますね。でもMさんにひさしぶりに会えてうれしかったことである。締め切りひと つ(昨日の)。夜は善ごはん。

日
7月12日
木曜日

  先だって生の時鮭が買えなかったので、今日こそ、と思い、昼休みに張り切って魚屋へいくも、時鮭は甘塩しかない。むーん、と思い、キングサーモンを買っ た。こういうとき、太刀魚にするとか、鯵にするとかの、応用がきかないのが私の大きな弱点である。ピンチのとき(砂漠で迷うとか、ジャングルで迷うとか) に、この弱点が致命的になるなといつも思う。午後S社の方がきて、たいへん驚くような報告。むーん、砂漠とか言っている場合ではなかった。
 キングサーモンで作った照り焼きはきちんとおいしかった。いつのまにか梅雨らしい天気ではないか。締め切りひとつ。

日
7月13日
金曜日

 スポーツクラブにいったら作家Hさんに会い、帰り 際作家Fさんに会う。おお、一時間半のうちに作家に二人もあったよ。すごいな。その後、都心に移動してMさんちに寄せてもらう。Fさん(こちらは女性)を 交え、もうわけがわからなくなるくらい話しまくり、飲みまくり、ビバ人生、と思うくらいのたのしさのまま、夜と朝の中間に家に帰り着く。ビバ人生。やっと 腰が抜けるまで飲めたよ。締め切りひとつ。

日
7月14日
土曜日

 昼、近隣にできた坦々麺の店にいくが、店の雰囲気が若すぎてなんだか照れるような気分だった上、さほど坦々麺はおいしくはなかった。私は坦々麺を愛しているので、おいしくない坦々麺を食べると失望が大きい。
 今日は友人が野音で演奏をする日で、でも外を見たら雨。私は超のつくほどの晴れ女なので、あまり雨に困った経験がなく、窓から雨を見つつ、「この雨も6 時にはきっとやむだろう」あるいは「日比谷は雨が降っていないかもしれない」という、たいへん自己中心的な結論を出し、雨合羽も替えの服や靴下も持たず、 傘だけさして出かけていった。
 日比谷の喫茶店で友人たちと落ち合ったところ、台風がきているらしいと知る。この雨にそんな重大な意味があったとは!私がどれほどの晴れ女でも、やむはずがないわなー。
 この雨じゃあ客席はがらがらでは……と、500円の雨合羽を買い、会場にはいるが、なんと超満員。みんな合羽を着てたいへん熱狂している。雨がざんざん ぶりのなかでライブを聴く。たいへんすばらしいライブであるのだが、必要以上に雨に濡れたくなく、私は置物のようにじっとライブを聴きいっていた。一セン チも動きたくないのである。が、まわりの人々は平均年齢がたいへんに低く、そういうものの常として濡れることなどなんとも思っちゃおらず、飛んだり、跳ね たり、生き生きとたのしそうであった。私の隣の若者グループが、ざんざん降りなのに、じゃがりこをふつうに食べていたのがおかしかった。容器に水入っちゃ うんじゃないの?
 ライブ後、みんなで打ち上げに参加する。というより、打ち上げ会場にいって勝手に隅の席で延々と飲む。しかも話はまったくライブと関係のない仕事話や色 恋話。年をとったものである。しかしながら、この日も異様にたのしく、ビバ人生、と思う。二日続けてビバ。帰ったらまた夜と朝の真ん中。

日
7月16日
月曜日

 仕事をしていたら地震。仕事場にはテレビやラジオがないので、震度がどのくらいなのか、はたまた震源地はどこなのか、まったくわからない。午後にも地震。
 夜、ごはんを食べてから東中野のポレポレ(映画館)にいって、上映中の「ラザロ」という映画について、井土監督と公開対談。井土監督は、私より年輩に見えるが年下なのだ。そして芸名みたいな名前だが、本名なのだ。

日
7月17日
火曜日

 ありゃりゃりゃ。今月ももう後半でござるね。大晦日も見えてきた感じ。十月の締め切りとか聞いていると、本当にもう「ゆく年くる年」の気分ですよ。
 仕事をしていると、というかものを書いていると、ハイになる場合とロウになる場合がある。ハイになるといいものが書ける、ということはないのだが(だいたい「いいもの」なんてよくわかんないし)、でもたのしいのは、ロウよりハイである。あたりまえか。
 私はなんかもう時間以外で自分を律することができないので、ハイでもロウでもしときっぱなし。そんで、五時になるとぴしーんとぜんぶ終わる(ふつうにもどる)。台風の影響か、八百屋さんの店頭に野菜が少ない。

日
7月18日
水曜日

 近所に蟹の店ができて、どんなだろう、と思って いってみる。ファミリーレストランのようで、ランチの蟹料理は安かった。が、できたばかりのこのお店、入り口に店員がひとり立ち、店内に四名ほど立ち、し かも食べているあいだずーっとうしろに立っているので、落ち着かなかった。懸命に本を読みながら食べた。お店の人、入り口の前に立っていなければ、もう少 しお客さんも入るのではなかろうか。

日
7月19日
木曜日

 午前中、K社の取材。短編小説について。たのしくて話しすぎていたら時間がぐるぐる経過してしまい、次の取材の人がピンポーン、ときてしまう。おたおたする。次の取材は音楽雑誌。小説の話はできるけれども音楽の話はできないものだなあ、と思った。
 昨日、マヨネーズ味のサラダ(エビとアボカド)を作ったのだが、今日も気づいたらマヨネーズ味のサラダ(マカロニ)を作っていた。どうも、マヨ味に飢えているらしい。締め切りふたつ。

日
7月20日
金曜日

 午前中取材一件。仕事場で取材後、タクシーに 乗って近隣の公園にいく。タクシーの運転手さんが、たいへんに個性的な人だったのだが、あまりにも道に迷い、最後には「ひょっとしてわざとではないのか」 と思うほどの迷い方であり、むむー、と思った。だってナビついているのに、「ナビちゃんは馬鹿だからなー」で押し切るのってどうか。最初は個性的なおじさ んと、笑いつつなごやかに話していた私たち、だんだん無言に。ともあれ公園で取材終わり、地元に戻ってきたら十二時を少し過ぎていて、いつもいく店にごは んを食べにいくも、軒並み満席で入れない。まさに昼飯難民。しかたなくお弁当を買いました。
 夕方池袋で取材一件。池袋って不思議な町だよなーと思いつつ、待ち合わせ場所へいく。取材後、打ち合わせごはんがあるので、また池袋を歩き、池袋って不思議な町だよなーとまた思う。都会と田舎が激しく攪拌されたような……。
 打ち合わせごはんは、入り組んだ路地の先にある四川料理の店。ものすごいいきおいで料理が出てきて、これがどれもたいへんおいしいのだが、出てくる速度 に食べる速度がついていかず、ついに「マッタ」をかける。すっぽん鍋が出てきて、私はすっぽんというものをはじめて食べる。ぬるぬるしたところが、肌によ いらしいが、人生において圧倒的にぬるぬる体験の少ない私は、たくさん食べることができなかった(おいしいのだが、ぬるぬるへの抵抗がぬぐい去れない)。 これから少しずつ、自分の人生のぬるぬる度を高めていって、今度はつるりと食べられるようにしよう。
 池袋でバーをさがして六人でさまよい、なんだか旅をしている気分だった。そういえば旅先で真っ先に「飲み屋街はどこですか」と訊いていたこのチーム、さすがに土地勘のない池袋でも落ち着けるバーを一発で見つけ出してくださった。すごい。締め切りふたつ。

日
7月21日
土曜日

 昼にはみ出し仕事と運動をし、夕方、近所にできた広島ふうお好み焼きの店にいく。
 私、広島ふうお好み焼きが大好きで、大阪お好み焼きより自己内ランクが上なのだが、広島ふうの店ってなかなかないんだよなー。二年くらい前、近隣の町という町をさがしまわったのだが、なかったの。だからうれしいの。
 この店のお好み焼きはたいそうおいしかったが、一枚がべらぼうにでかくて、なんと最後まで食べられなかった。腹がぱつんぱつんのまま帰った。深夜になってもおなかがすかなかった。おそるべし。

日
7月22日
日曜日

 朝、やる気ナッシングだったが、自分で自分を鼓舞して走る。帰ってきたら雷雨のような汗。
 なぜか夕方突如生地をこねてピザを焼いた。うまかった。ちょっとチーズのせすぎたが。
 このところ「血と骨」をずーっと読んでいるのだが、眠る直前まで読んでいるので、夢に必ず俊平(「血と骨」に出てくるコワイおとうさん)が出てくる。悪夢度四十パーセントである。今日の夢は悪夢度七十パーセントだった。あのおとうさんが身近にいたら、そらこわいわなあ。

日
7月23日
月曜日

 午後、市ヶ谷にいってはじめての会社で取材を受ける。会社ってふだんいきなれないから、いくとわくわくする。夜は近所のタイ料理屋にいく。辛いものに辛いたれをふんだんにかけて食べる。頭皮から汗が噴き出し、おお、夏、という気持ちになる。締め切りひとつ。

日
7月24日
火曜日

 むおーんと仕事。やってもやってもなぜか乾燥わかめのように増えていく仕事。今日は夏のような天気になって、気持ちがよかった。外を歩いているとやたらにうきうきして、私は夏が好きだなあと思った。梅雨明けって昔からこんなに遅かった?

日
7月25日
水曜日

 ジムにいき、汗の量が先月と違うのう、と夏を実感する。
 今日の夜ごはんは、牛タンとろろ定食にしようと昨日から決めており、夕方、牛タンをさがして町を歩くも、どの肉屋にもタンは売っていない。スーパーには あったけれど、なんつーかレースのコースターのような肉で、「果たしてこれで足りるだろうか」と不安になり、結局、豚グリルととろろになった。夏はとろろ ですなー。とろろが食べたいときは、胃が痛んでいるとも聞くが。ゲラ地獄。そして夜、風呂場で、「血と骨」を読み終えてしまい、ああ………と、呆けたよう になる。こわかったけれど、読み終わってもうこの先が読めない、となると、愕然とするほどのさみしさ。そしてあんなにこわかったおとうさんが、最後はかわ いそうになる、これぞまさに俊平マジック(俊平というのはおとうさんの名前)。いや小説マジック。

日
7月26日
木曜日

 一日だれとも会わず、だれとも会話せず、仕事をし、まぐろを買って帰る、という平凡な一日。なんだかやけに暑いんだが、気候なのか、熱なのか。むーん。

日
7月27日
金曜日

  引き続き異様に暑いのだが、気候なのか、熱なのか。鼻水がつーと垂れてくるから、風邪かいな。しかしねえ、私はもう、こりっごりなのだ。貴重な休みの土日 に狙いすましたように風邪をひくのは、もうまっぴらごめんなのだ。だからあずかり知らぬふりをしてスポーツクラブにいき、鼻水垂らして運動した。まあ、運 動できたので、平気だろう。
 もし万が一今度風邪を引くことがあったら、ぜったいのぜったいに平日にひいてやるのだ!そして業務を休むのだ!一日ベッドで寝て漫画読んでメロン食べて眠るのだ!……小学生の野望のようだな。締め切りみっつ。

日
7月28日
土曜日

 ゲラ病気。と書くと、異様な病気のようだが、分解すれば、鼻水つー、喉背中痛、という病気状態で、鬼のようにあるゲラを読んで過ごしましたとさ、というわけである。弱いな今年。

日
7月30日
月曜日

 すごい雨と雷。私は雷がたいへんにこわい。落ちてくるような気がするのである。
 夕方、近隣の、以前に一回だけいったことのある内臓を焼く店にいく。ここの内臓肉はうまい。打ち合わせをそこそこに、Kさん(女性)にモテ道を訊く。そ の後移動して、飲んでいるうち、近くで飲んでいたKさん(こちらは男性)が合流、そののちKさん(こちらも男性)も合流、たいへんに盛り上がって飲んだく れる。風邪だから早く帰ろうと思っていたが、たのしさに挫折。締め切りよっつ。ごぼごぼ。

日
7月31日
火曜日

 7月も終わり。昨日、調子に乗って飲んだので、胃 痛と二日酔いで、よいよいのまま仕事をがんばる。遠くの町に肉を食いにいき、忘年会ほどの人数で肉を食す。しかし食べている最中に胃が……(食べ過ぎかも しれん)。二次会にいくみんなと別れ、近所のKさんとタクシーで帰る。肉は盛り上がる。魚ではこうはいかない。悪が二日続いたので、明日から善を目指す。 締め切りみっつ。

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