つれづれ、というのは、ものおもいにふけったり、することもなく退屈なようすのことをいうらしい。つれづれがる、と動詞になると、退屈でさみしがる、という意味らしい。たしかに私は日々非常に退屈である。忙しいのに、いや、忙しいから退屈のようである。忙しいと退屈が結びつこうとは、暇だった二十年前は思わなんだ。
そんなわけでまた日記を書かせてもらえることになった。よろしくお願いします。
すごい晴れ。11月も半ばなのに寒くなる気配がいっこうにない。昼過ぎ、信濃町から歩いて明治記念館へ。それにしてもすごい晴れ。お化粧をしてもらったら、目が二倍になった。地下の部屋で、安西水丸さんとビールについての対談。安西水丸さんとははじめてお会いする。が、非常ななつかしい雰囲気。そうそう、これは自由な偉人が持っているたおやかさ。ときどきこういう人に会うと本当にうれしくなる。
対談は早めに終わり、外に出るとまだものすごい晴れ。地下の部屋が暗かったので夜だと思ったら、まだ夕方前だった。目が二倍でうれしいのでどこかにふらふら出かけたかったが、仕事場に戻り仕事をし、二倍の目のまま帰宅する。髪も、自分では一生できないくらい複雑にきれいになっていたので、ほどいてしまうのがもったいなかった。風呂から出たらふつうの目に戻っていた。 |