アスペクト

つれづれ雑記 角田光代

作家・角田光代さんの日常を綴る日記が、アスペクトONLINEにて連載開始です!怒涛のような締め切りの数々や大好きな肉のこと。見たこと、聞いたこと、会った人、出かけていった旅のこと。角田さんの毎日のつれづれはここでしか、読めません!!

2008年6月1日〜6月00日

6月1日
日曜日

 衣替えですな。午前中に家を出、都心方面にいく。今日は、ダイエット企画の松本先生と、クロワッサン編集部のNさんHさんと、打ち上げランチ。舞踏会をやるようなところで、健闘をたたえ合い肉ランチ。編集のHさんは私といっしょにダイエットをはじめたのだが、一週間後くらいには「ダイエットってなんざます?」というような状態になっていた。この六ヶ月、彼女はかっこいいくらい先生の話を無視していた。ランチ後帰宅、いかと里芋の煮物を作る。里芋っておいしいねえ。

6月2日
月曜日

 ごんごんと仕事をし、夕方銀座で所用をすませ、帰る。近所の親切な八百屋さんで黄ニラとピーマンを勧められたのでそれを買う。「黄ニラって茹でるの?」と訊くと「豚と炒めたり、あと海老と炒めてもおいしい」とのこと。こうして調理法を教えてくれるとほんっとうに助かるなあ。黄ニラ、十数年前に岡山にいったとき居酒屋で食べたような黄がします。あ、気がします。
 やらなければならないことがあるのに、ゲームに逃避してしまい、眠る時間が近づいてようやく「あ!もうこんな時間」とわざとらしく気づいた。締め切りふたつ。

6月3日
火曜日

 仕事後、夕方にジムにいき、寒いのに汗まみれ。夜はタイカレー。DVDで映画を半分だけ見る。

6月4日
水曜日

 仕事を終えて都心に向かう。こないだいって大感激したイタリア料理店で、H事務所のHさんと打ち合わせ。この店の料理はおいしすぎて、食べはじめると頭が霧がかったようになるので、料理が出る前にてきぱきと打ち合わせをする。魚介のサラダ、野生アスパラとからすみのスパゲティ、羊。何もかもうまく、くらくらする。が、打ち合わせのことはちゃんと覚えている。デザートを食べていたら既視感。先だっても私とHさんはそれぞれおんなじデザートを食べていたのである。Hさんがシューを一個分けてくれたのも既視感。
 その後、S社T氏の自分誕生会があるので宮益坂のDにいく。11時を過ぎてじょじょに人が集まる。12時に誕生日音楽が大音量で鳴り、乾杯し合う。が、久しぶりに会う大好きな人がたくさんいすぎて、私はたがを外してはしゃぎ、肝心のT氏が何歳になったのか知らないままだった。12時過ぎに、すでに記憶があやしくなりはじめたので帰る。締め切りひとつ。

6月5日
木曜日

 今日締め切りのものでいろいろとトラブル(トラブルっていえないほどのトラブルだが)が相次ぎ、書きなおしたり、書き足したりとあわただしく仕事をする。買いものにいって、何か買い忘れたり、買おうと思っていたものがないと、献立パニックになり、当初の予定と大幅にずれた不思議な献立を作りがちだが、今日もそんな羽目になった。が、マコカレイを揚げたらおいしくできた。マコカレイの「マコ」ってところがとてもかわいいと思う。締め切りふたつ。

6月6日
金曜日

 いつもより15分ほど早めに仕事場を出て、高円寺にいく。駅前の店でマダムKとお茶をし、その後、いつもいく店でキヨシローの会。忌野清志郎の完全復活DVD発売記念飲み会。職場を変わった尊敬すべきTさんは相変わらずきらびやかな格好。いつもは5、6人の会だが、今回はものすごーーーーくたくさんの人が集まって、にぎやかだった。いろんな職種の人と話せてたのしかった。こんなにたくさんの人が愛しているキヨシロー。飲み過ぎてはしゃぎすぎた。電車で帰った。しあわせな会合であった。締め切りふたつ。

6月7日
土曜日

 朝に掃除をして、東京駅へ。今日はチームEで、東北方面の温泉に泊まるのである。東北方面にいく新幹線にはじめて乗ったような気がする。夕方宿に着き、温泉に入り、昭和ふうの大宴会場で夕食。明日この町でマラソン大会があるのである。宴会場にいるのはみんな走るのが速そうな人ばかり。私たちだけ、宴会好きな観光客みたい。食後、いちばん広い部屋で宴会をするも、明日のことがあるので、みなあまり飲まず。私もあまり飲まず。どきどきしながら早寝。

6月8日
日曜日

 7時にごはんを食べて、マラソン会場へ向かう。ものすごい大きな会場で、ものすごい人。私たちは10キロの部に出る。去年の駅伝があまりにもつらかったので、暗澹たる気持ちだったのだが、なんとか完走できたばかりか、自己新記録(でも遅いんだけどね)で走れたので、泣くほどうれしかった。ほかのみんなも完走した。すごいことである。町の人たちが本当に親切で、たのしかった。
 その後、それぞれ好きな温泉に入りにいき、昼過ぎから知らない町の焼き肉屋で打ち上げ。肉を焼く焼く。酒を飲む飲む。4時間近くの飲み食いである。
 日暮れごろ、新幹線で帰る。みんな爆睡。

6月9日
月曜日

 ロックの日らしい。今日は夜にトークショーがあるので、5時を過ぎても仕事をしていたところ、もーのーすごい雨と雷。6時過ぎ、もーのーすごい雨のなかを高円寺に向かう。雷がばこばこ鳴っている。古本居酒屋コクテイルで、長嶋康郎さんと酒を飲んで開始を待つも、雷で中央線、総武線がストップ。トークショー開始の7時半になっても席は半分も埋まっていない状態。岡崎武志師匠がきてくれてうれしかった。ものすごくひしさぶりにお会いした。30分待って、8時、あいかわらずがら空きだったけれど、ともかく開始。恋がテーマの対談なんだけれど、6時半に着いてから飲みっぱなしなので、ほとんど酔っぱらい状態。すみません。酔っぱらいの暴走、ご容赦を。話、4割減と思ってください。そういえば、前ここで久住さんごきょうだいとトークショーさせていただいたときも、酔っぱらって暴走したな。まあ、飲み屋さんなので。
 終了後、近くの中華料理屋にいって餃子や炒飯を食べて解散。雨もやんでいた。たのしかった。帰るときには、自分が何を話したのかすでに覚えていなかった。すみません。

6月10日
火曜日

 地味に仕事。スポーツクラブ休みなので仕事するしかなく仕事。夏のように暑い。アイスを買って食後に食べた。締め切りふたつ。

6月11日
水曜日

 地味に仕事。後、ジム。帰宅して唐揚げをがんがん揚げる。前は油焼きみたいになったが今日はうまくいった。またしても買った北海道のアスパラが、またしてもうまい。締め切りひとつ。

6月12日
木曜日

 地味に仕事。後、スポーツクラブ。ランニングマシンで今日も作家Fさんに会う。話したかったんだけれど息が切れて話せなかった。情けない。帰ってまた仕事して、午後、都心に向かう。かっこいい一軒家の焼鳥屋さんで、対談の連載終了の打ち上げ。終了したのはもうずっと前なんだけれど。
 焼鳥がおいしくて感激。コース終了後、対談の担当をしていてくださったFさんが「もう一回コース最初からまわせられる」と言っていたのがかっこよかった。その後、銀座のバーにいき、お店の人の弾き語りを聴き、入ってきたお客さんが席に着くより先に歌い出した憂歌団を最後まで聴き、帰る。締め切りひとつ。

6月13日
金曜日

 仕事を終え、K社にいって荷物を受け取り、そのまま麻布方面にタクシーでいく。目的地は入り組んだ路地にあるお店だったけれど、運転手さんが道に詳しく、ナビも使わずお店の前までいってくれたのにはたいへんびっくりした。そのすぐワンブロック手前のビルに、見覚えがあった。前にごはん食べにきたんだろう。麻布とか広尾とか恵比寿とか、よくお店を指定されるので、けっこうな割合でいっているのだが、まーったく地理を覚えない。信じがたいほど覚えない。覚えるのを放棄しているんだろうなあ。もらう目的地の地図を見ても、だからさーっぱりわからず、いつも、近くまでいってタクシー頼みなのだが、土地勘のないタクシーに乗ると、たいへんなことになる。デザイナーのYさん、初対面のIさんとともに食事。たのしかった。締め切りひとつ。

6月14日
土曜日

 朝8時に赤坂へ。前にお世話になった某テレビ番組のディレクターに、たいへんあつかましい私事お願いをしにいったのである。Nさん、ほとんど徹夜状態であらわれ、打ち合わせをしてくれる。本当にありがたいことである。夜はお好み焼きを食べにいく。

6月15日
日曜日

 隣町にいこうとしたら電車が止まっていた。この沿線の駅員さん、たいへんだよなあ。いや、乗客もだけど。新生姜で生姜ごはんを作る。もわーんといいにおい。おいしいもの大臣のTさんと涙を流しながら食べたわさび飯を思い出す。生姜は涙は出ませんが。昨日お願いごとをしたNさんの作ったテレビを見て、感動して、眠る。テレビの続きの夢を見た。精神代謝が早いよなあ。

6月16日
月曜日

 このところ昼にサンドイッチばっかり食べているなー。片手で食べられるから、楽なんだ。しかし、ずっと以前、すごく忙しい漫画家の人が、昼はいつもおなじ銘柄のサンドイッチを食べる(片手で食べられるから、片手で仕事ができる)、という記事を読み、何かこわーくなったのだが、そのこわーいことを、自分でやっているのだなと気づく。夜、茄子とセロリが大量に入ったドライカレーを作る。締め切りよっつ。

6月17日
火曜日

 昼に仕事場を出て、帝国ホテルにいく。いつもと違う出口から出たら、どこがどこだかわからなかった。なんとかたどり着く。1時半から取材一件、2時から打ち合わせ、3時15分から取材一件、と、すべて帝国ホテル内ですませ、3時〜の取材では動いていないのに急激に腹が減り、これでは夜まで乗りきれんと思って取材先の方に許可を得てケーキを食らう。5時から小説現代長編新人賞の選考会。たいへん勉強になる討議を経て決定。受賞者の方おめでとうございます。その後地下に降りてみんなで中華を食べる。中華後、毎年いっている銀座のSにいって飲む。選考会が終わると一気に緊張が溶けて飲み過ぎるので、慎重に飲んだ。日付が変わってから帰宅。酔わなかったなー。締め切りひとつ。

6月18日
水曜日

 二日酔いもなしで、徒歩通勤も楽だった。昼過ぎに仕事場を出、横浜方面にいく。スイカを忘れたことに気づき、切符を買う。スイカってすごく便利なんだなと感心する。路線図を見上げ値段を調べ、切符を買う、って、思いの外面倒なことだった。「わたしの美術館展」の準備中の美術館で打ち合わせをし、近くのビルで昼食を食べ、仕事場に戻る。6月14日にNさんに頼んだDVDができあがってきて、それずあまりにもすばらしく、仕事場でひとり大泣きする。いや、大泣きするのもへんなのだが、あまりにもすばらしく、あまりにもありがたくて泣けたのである。鼻をかみ、仕事。締め切りひとつ。とぎれまへんなあ。

6月19日
木曜日

 雨、降らなくなったなあ。午後、ジムにいき、夜はイカづくしの料理を作る。イカのわた、いつも捨てるのはしのびないと思っていたので、よくいくお好み焼きやさんで出している「イカげそのわた焼き」を真似してみたら、ちゃんとうまくできた。そういえば、イカが食べられなくなるかも、というニュースをやっていたな。締め切りふたつ。

6月20日
金曜日

 午前中、わけあってファミレスにいき仕事。こういうところで仕事するのって慣れないなあ。パソコンではとてもできまい。ノートを持っていって二時間ばかし仕事をし、昼をささっと食べ、昼過ぎに横浜にいく。ジャムを聴きながら爆睡。なぜか東横線に乗るとかならず爆睡してしまうなあ。
 今日は、横浜美術館の「わたしの美術館」展のオープニング式典がある。13時に美術館につき、自分の部屋(自分の部屋っていうか、自分の好きな絵が飾られたコーナー)を確認し、やっぱり絵って飾られていると迫力が違うなあ、と思いつつ、他の参加者である、はなさん、アラーキー、茂木さんの部屋を見る。みんなの部屋はそれぞれ個性があって、本当におもしろい。私の部屋がいちばん支離滅裂というか、ごぢゃまぜ。これって、私が視覚の人間ではないからなんだろうとしみじみ思う。言葉の余地のある絵を、目や感性ではなく、どうしても頭で選んでしまうのだ。
 14時から記者会見。荒木さん、茂木さんは4年ぶりくらいにお会いする。はなさんは初対面。美しかった。その後、市長(またしても久しぶり。あいかわらずメタボと無縁のような背格好)と懇談、その後オープニングセレモニー。荒木さんと茂木さん、あまりにも落ち着きがなく、なんかおかしかった。ずっとしゃべってるし。自由な人たちだ。セレモニー後、きてくださっていたB社のTくんと東横線でいっしょに帰る。20代なのに40代にも見えるTくん、部署がかわり、なんか若返っていた。30代くらいに見えた。締め切りふたつ。

6月21日
土曜日

 今日はK社S夫妻の結婚パーティ。たいへんはなやかで、すてきなパーティだった。結婚パーティって、つくづくいいですね。もっといろんな人のパーティにいきたい。その後少人数で渋谷に移動して二次会。一次会であまり飲まなかったので、へべれけになるくらいまで飲む。楽しかったことだけ覚えているが、だれと何を話したのか……。楽しい気分のまま、家が近所のNさんと帰る。しかし私の人生、「楽しかったことだけ覚えていて、あとは何も覚えていない」空白が、多すぎるのではないか。

6月22日
日曜日

 朝、雨のなかを少し走る。雨だけれど走った、という、前向きなものではなく、走っていたら雨になってしまったのだった。掃除をし、隣町に食材を買いにいき、夜、ひじきコロッケというものを作ってみる(ひじきが余っていたから)。ひじきはなんの問題もなくコロッケにおさまってくれたが、しかし、入れても入れなくてもいいのでは、というくらい、ひじきの個性が消えた。それから冬瓜をはじめて買ってみたのだけれど、おいしかった。

6月23日
月曜日

 仕事。昼にファミリーレストランにいってK社Dっちと昼ごはん。Dっちに喜ばしいことがあったので、親戚のおばさんみたいに晴れやかな気持ちになる。その後、取材。取材を終えたら雨が降っていた。雨がやんだ隙にジムにいく。今日は寒いのに汗だらだら。ひじきが入っていてもいなくてもかまわないコロッケを、昨日大量に作って冷蔵しておいたので、それを揚げる。仕事せなあかんのにゲーム逃避。大人なのに。締め切りひとつ。

6月24日
火曜日

 仕事をし、煮詰まったのでジムにいく。帰っても煮詰まったままだったが、終業時間になったので逃げるように帰る。鰺をばんばんたたき、なめろうを作る。なめろう、ってあんまりすてきな名前じゃないけどおいしいよなー。なめろう。おい、なめろう!って呼ばれたくない。善ごはん。
 カレンダーに予定を書きこんでいたら、7月、もう余裕ないじゃん。こわいなー。

6月25日
水曜日

 シャンパンマスターS社Rさんが、「印度の味」というカレーの素について教えてくれたので、さっそく買い、海老とほうれん草のカレーを作ってみる。このペースト、すごいね。家のカレーではないカレーの味がした。
 あれっ、気づけばなんか最近、ごはんのことばっかり書いている。ごはんしか楽しみのない日々のようだ(実際そうかもしれません)。

6月26日
木曜日

 雨が降ったりやんだり降ったりやんだり。降るなら降る!やむならやむ!と思う私は短気なのだろう。小雨のなか、中野にいって取材を受ける。のち、打ち合わせ一件。のち、このページを担当してくださっているおいしいもの大臣Tさんと、住宅街のなかにある「肉処」へ。声の美しいIちゃんと、オカリナを吹きそうで吹かないKさん(実際に吹くのはブルースハープ)と、4人で乾杯。刺身の盛り合わせはみんな肉。カルビとかタンとかハラミとか、ぜんぶ刺身!しかもどれもたれにつかってない!すごいっ!興奮して食べるも、生肉ってたくさんは食べられないんだなあ。食べたい気持ちばかりが先走るのに、腹はハツハツ。レバとかハチノスとか、感動的な巧さであった。モツ煮のモツも衝撃であった。
 その後、自宅近くの、外から見るとなかの人が全員幸せそうに見えるちいさなワインの店にいき、「一杯だけ飲もう」と決めていたのに、気づけば4人で3本飲んでいた。さっき焼酎一本空けたのに。ああ、おそろしおそろし。でも今日は楽しかったことの内容をぜんぶ覚えたまま、帰ることができた。

6月27日
金曜日

 スターバックスって何か面はゆく、また注文の仕方もよくわからないから、いかないようにしていたのだが、仕事場の近所にできたので、ときどきいくようになった。注文の仕方もだいたいわかった(でもあのー、大中小のサイズのアルファベットの意味が、未だによくわからん)。それで、今日、「キャラメルフラペチーノ」というものと、「アイスキャラメルマキアート」というものが、違う二つの飲み物であると、はじめて知って衝撃を受けた。私は今までずうーっと、アイスキャラメルマキアートを頼みたくて、フラペチーノを頼んでおり、そうすっと、なんかパフェみたいのが出てきて、でもこれがアイスキャラメルマキアートなんだろうと信じていたのだ。
 ああ!こういうこと、もうちっとスマートにわかりやすく書けないものかな。
 昼前に仕事場を出て新宿にいき、真鍋かをりさんと対談。爆笑問題の番組に出させていただいたとき以来だから3年ぶりくらいか。異様に楽しい対談だった。つい、対談の心得を真鍋さんに訊いてしまう。「なるほど!」と心底思う答えをくださった。
 その後ノートを持って都内をうろつき、夕方、友人Mさんちに集う。女ばかりでざばんざばんと酒を飲み、話し、「このまま気を失うかも」と思うくらい楽しい時間を過ごす。はっと気づいたらタクシーにひとりで乗っていた。すごい飛びようである。

6月28日
土曜日

 昼に神保町のランチョンで、Hさん、大阪芸大のYさんとランチ。この二人、くるなりビールとつまみを注文している。来月のことの打ち合わせ。このランチョンに、Hさんは20代のころからきていたらしいから、かれこれ30年以上も通っていたことになる。すごいことである。20代のHさんはここで吉田健一と昼からビールを飲んでいたのである。おそろしいことである。この店には「ウイスキーリプトン」というおそろしい飲みものがあることを今日知った。
 その後、三省堂書店に移動し、サイン会。あのー、毎度のことですが、だーれもきてくれないのでは、と思っていたので、多くの人にいらしていただき、もう本当にありがたくうれしいことであった。お手紙もありがとうございました。うれしかったので夜はハモしゃぶを食べた。ハモを生まれてはじめておいしいと思った。

6月29日
日曜日

 雨だから走れない。隣町に魚を買いにいって掃除。雨がどんどん強くなる。DVDで映画を観る。こわい、でもすごい映画だった。鮭の照り焼きを作った。二日続けて善である。

6月30日
月曜日

  今年も上半期が終わりかあ。もう年末へ向けてまっしぐらですね。定期(っていうかスイカ)を落としたので、交番にいき、遺失物届けを書く。交番の人って親切だよな。私が書類を書いているあいだに、女の人が「これー、道に落ちていたんですが」と、たいそう膨らんだ財布を持ってきた。ああ、その財布が私の定期入れだったらよかったのに、と思った。もちろん違った。
 6時に仕事場を出て都心方面へいく。今日は肉の会、しかも29回目の29の会という特別記念で、焼き肉屋が貸し切ってあった。すごいことである。肉はあいかわらずたいへんおいしく、いつもより大人数の会は盛り上がる盛り上がる。量がけっこう多かったんだけれども、人も多いので、生肉の載った皿があちこち移動し、だれかの胃袋にきちんとおさまった。その後、さらに都心方面に移動して2次会。私は途中で帰った(もちろんみんなは帰らない。この人たちは帰らない)。今日は、22歳のときから知り合いの、(「愛してるなんていうわけないだろ」を作ってくれた)編集者Kさんに、8年ぶりくらいに会えたのでしあわせだった。あんまり話せなかったんだけれど。締め切りいつつ。しええ!

前のページへ 次のページへ
日
アスペクト